アメリカ食品医薬品局(FDA)はジュースに含まれる鉛の量に関する新しい指針の草案を発表

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シングルストレングス(完熟した果実を搾ったそのままのジュースで、濃縮したり稀釈したりしないもの)のリンゴジュース、その他のジュース、ジュースブレンド商品に含まれる鉛の量制限に乗り出しました。2022年4月27日、FDAはジュースに含まれる鉛の推奨制限量についての草案を発表し、その中では、シングルストレングスのリンゴジュースは10ppb、その他のシングルストレングスジュース(リンゴジュースがブレンドされているものを含む)は20ppbで設定されています。この草案が正式なものとなれば、現行の50ppbからより厳しい基準になります。

この指針草案はFDAの「ゼロにより近づける(Closer to Zero)」行動計画の取り組みの1つとして、赤ん坊や子供が食べる食品からヒ素、鉛、カドミウム、水銀といった有害物質を減らすためのものです。この4つの有害物質についてはまだ揃っている研究データや追加調査の必要度がそれぞれバラバラで、FDAはまず鉛の基準から始めました。将来的には、他の有害物質についてもデータに基づいて推奨制限量が設定される見込みです。行動計画では健康被害を受けやすい体の小さな子供に焦点が当てられています。

2019年に行われた研究では、調査した半数のフルーツジュースにカドミウム、鉛、水銀、無機ヒ素などの重金属が高い値で検出されたことが示されました。グレープジュースとミックスジュースにこれらの有害重金属が最も多く含まれ、オレンジジュースも低い値ではなかったとされています。重金属が子供に与える影響には、IQが低くなったり、糖尿病、癌などが挙げられます。もちろん子供だけではありません。研究では、5種類のジュースが1日に4オンス(約118ml)以上飲むと大人にもリスクがあり、別の5種類のジュースは1日に8オンス(約236ml)でリスクがあるとの事です。

以前、鉛は缶を結合するのに使われていて、それが食品に溶け込んでいたことがありました。1993年、鉛が使われた缶に入ったジュースに含まれる鉛の制限量が80ppbに設定され、2001年には、FDAはコーデックス委員会の例を参考にジュースに含まれる鉛の制限量を50ppbに設定しました。その後10年を経て、2012年にアメリカはコーデックス委員会とともにほとんどのフルーツジュースに対して制限量を50ppbから30ppbに引き下げたのでした(グレープジュースは50ppbから40ppb、ベリー類や小さなフルーツから作られたジュースは50ppbのまま)。

FDAによると、子供の頃に鉛を体内に摂り込むことで神経への影響が懸念され、学習障害、行動異常、知的障害などのリスクがあり、免疫、心臓、腎臓、生殖機能にも影響を及ぼす可能性があるとのことです。また、大人でも長く鉛を摂り続けていると、腎機能障害、高血圧、神経認知障害につながります。食品中の鉛は自然に含まれるため完全に取り除くことはできませんが、健康被害をもたらすものはごく身近に存在しているのです。アメリカ疾病予防管理センターは医者に子供の血液鉛濃度を測るように推奨していますが、具体的な安全濃度値は示されていません。

ジュースやジュース商品に含まれる鉛に焦点が当てられている背景には、幼い子供が口にする食品や飲料に含まれる有害物質を減らすという大きな目標がありますが、赤ん坊が食べる離乳食でも最近大きな懸念が挙げられています。アメリカのベビーフード離乳食の調査機関「ヘルシー・ベビー・ブライト・フューチャー」による2020年の調査によると、168の離乳食のうち、95%がヒ素や鉛といった有害物質を含んでいたとされています。

過去3年間で食品や飲料に含まれる有害物質を減らす動きはFDAを筆頭に活発になり、メディアでもより取り上げられるようになってきています。

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